Learned society defends peer review
今週発表された英国学士院(British Academy)報告書によると、英国学士院は英国で伝統的にとられている研究者評価手法であるピアレビューを支持する考えである。また、ピアレビューはコストと時間を食うとの批判が高まっていることに対しては、レビュアーへのよりよいトレーニングと報酬が要ると述べた。
報告書は、人文学・社会科学分野での評価手法として論文引用回数・助成金交付回数などの測定規準を用いることに警鐘を鳴らしている。人文学・社会科学分野では論文や学術誌も少なく、成果が認知されるまでの期間が非常に長く、上記の測定規準ではこれらの分野での成果を正確に測ることはできないため、不完全にしろ有効な手段であるピアレビューの付加物として用いるべきだというのがその理由である。
政府は12月に、科学・技術分野では測定規準のみを評価に用い、芸術・人文学・社会科学分野では測定規準と「簡単な」ピアレビューを併用することを承認した。詳細は今月後半に明らかになる予定である。
しかし各大学やRAEではピアレビュー活動にほとんど力を割いておらず、新しいレビュアーが育ちにくい状況である。ある関係者はこれについて「『最も優秀な研究者は、専門分野の成果動向に目を向ける必要から常に調査機関のピアレビューに従事している』という事実が信じられていないためだ」としている。
(要約:OFIASインターン 長谷川 涼子)
教養ある社会はピアレビューを擁護(THES 2007年9月7日号)