出版待ち状態が引き起こす研究成果評価(RAE)への不安(THES 2007年9月28日号)

Publishing jam creates RAE fears

出版混雑による出版の遅れのせいで、研究成果が来年の評価対象から除外されてしまうというのではないかという不安が研究者間にみられている。

ウェストミンスター大学のユージェニー・シンクル講師によると、著作を出版するのに、原稿を提出してから15か月以上かかった。RAEの提出期限に間に合わせるために国中の研究者が出版業者に押し寄せ、出版の渋滞が起こり、それが、研究者の業績を傷つける怖れがあるという。また、RAEにエントリーするためには、研究成果が最低4点必要で、それに満たない場合は、過去3年間何もしていないことになり、研究資金を失ってしまう可能性もあるという。

それに対し、多くの研究雑誌は、12月のRAE締め切りに合わせ、電子媒体で出版を行っており、いくつかの審議委員会も電子媒体を認めている。また、バーミンガム大学のマイク・クルーズ研究担当副学長は、研究者はRAEの研究成果の計画期間として6年間が与えられていることを考えると、研究者に
同情をする気にはなれない、と述べている。

(要約:OFIASインターン 藁科 智恵)