ディプロマ導入にゴーサイン(THES 2007年11月2日号)

Diplomas finally get a thumbs up

リーズ大学副学長によれば、ラッセル・グループ(※)の数校で、ディプロマを入学資格とする予定である。同グループは1994年の段階でメンバー校 19校全てが原則としてディプロマ導入を受け入れる意思を表明しており、またPost-1992年大学(※)の多くもディプロマを導入することを表明している。ある大学関係者は、ディプロマが現行のAレベル(※)に代わる大学入学資格になるだろうと述べた。

導入予定のディプロマは14科目あり、来年9月に5科目が導入、残りはその次の3年間で導入されることになっている。現在、大学入学規準とディプロマの細かい調整が同グループ内で進められている。

工学ディプロマに関しては内容に懸念を示す教員もおり、上級の「技術者用数学」の単元が必要かを見定める動きがある。ある教員は現在のところディプロマは不十分であると述べた。しかし別の教員は、上級単元があればディプロマはAレベルのものよりも良くなると予測している。

ラッセル・グループの関係者は、学生が高等教育を受ける際の利便性を重視している。ある関係者は教育省と専門家の連携を挙げ、別の関係者は学生のニーズにあうよう調整した高等教育を提供するというディプロマの役割を述べた。

他の調査委員会メンバーを兼ねる大学関係者は、政府でなく教育機関が大きな役割を果たしていることを重視しているが、別の大学関係者はこの流れをフェアでないとし、Aレベルの良さにも目が向かないことへの懸念を述べた。

※注
ラッセル・グループ:イギリスの研究型大学19校からなるグループ
Post-1992年大学:1992年の法改正で大学に昇格した機関
Aレベル:イギリスで学力証明に用いられる基準のひとつ

(要訳:OFIASインターン 長谷川 涼子)