大学ごとの博士号取得「失敗」率、公表される(THES 2007年10月5日号)

PhD 'failure' rates revealed

イングランド高等教育財政カウンシルHigher Education Funding Council for England(Hefce)は、各高等教育機関の大学院生が7年間で学位を取得した割合をまとめたランキング表を初めて公表した。Hefceによれば、これは「大学院生へのサポートの向上」を目的としており、今後学生がどこの大学院に進むか検討する際に参照されることを想定しているという。

Hefceの定めた基準と実際の数字との間に大きなギャップがあったとして、6大学名が挙げられている。また、その他に規準を満たしていない2大学の名もあげられている。また、プラス評価では、目標を大きく上回ったとして4大学が選ばれている。

Hefceの調査方針責任者によれば、このランキング表は大学運営者にも役立つという。目標を大きく下回った大学に関しては「この評価がついた理由をよく調査し、必要であれば改善することを望む」とされている。

このランキング表は、1999年~2000年にイギリス高等教育機関のリサーチ・ディグリー・プログラムを始めて2005年~2006年までの7年間に学位を取得した全日制の英国・EU出身学生を対象としている(1999年~2000年に博士課程に入学した8,013人のうち78パーセントが、この時期に学位を取得している)。

National Postgraduate Committeeの総務担当者は、このランキング表に関して「学生が出願前に各機関を評価できる」とした上で、大学は「各教員の下で学生がどれだけ早く学位を取れたかを公表するところまで進むべきである」と述べ、「博士号取得が困難であってはならないが、一部教員の指導はお粗末すぎる」としている。

(要約:OFIASインターン 長谷川 涼子)