研究員ポスト、任期付がまだ一般的(THES 2007年11月23日号)

Fixed-term posts still the norm for researchers

現在各大学が公募しているポストのうち、常勤職は3.5パーセントにとどまることが、UCU(*1)の調査で明らかになった。これによると、11月7日から8日にかけてある研究者向け求職情報ウェブサイトで募集された254件の研究職公募の32パーセントは1年以内の契約、23.2パーセントは1年から2年の契約であるという。これは職員の採用にあたって任期を設定することを制限するとした2002年の「採用の指針」に反するとUCUは主張している。UCUの担当者は、「非常勤研究者の雇用の蔓延は、イギリス教育界の容認しがたい暗部だ」と厳しく述べた。

教育経営大学協会Ucea(*2)が発行している「雇用ガイド」の2002年版では「任期非限定を基本とすべきである」とされている。2006年に新しい雇用法が施行され、4年以上勤めた職員を正社員とすることで短期契約を減らす旨定められた。Uceaの担当者は「研究資金が特定のプロジェクトに特定の期間で与えられる」ことが任期付雇用容認の根拠となっていると述べた。

UCUの出した他の報告書によれば、2005年に勤務を開始した大学教員30,000人のうち3分の2以上が非常勤、教職専門の教員の75パーセントが非常勤、研究員は96パーセントが非常勤である。

これに対する大学側の反応はさまざまで、ある大学の関係者は「柔軟性が必要な分野に関して任期付教員を採用している」と述べている。一方、教員全員と研究員の96パーセントを常勤にした大学では「教職員に安心感を与え安定を図るための決断だった」としている。対照的に、教員と研究員の63.3パーセントが非常勤である別の大学は、UCUが調査を行った2005年以降は常勤職員の数を大幅に増やしている、と述べた。

*1 UCU…University and College Unionの略称。英国の大学教員からなる組
織。
*2 Ucea…教育経営大学協会University Council for Educational
Administrationの略称。教育関連の大学院課程を持つ大学からなる組織。

(要訳:OFIASインターン 長谷川 涼子)