引用に基づいた新たな研究評価(THES 2007年11月9日号)

New RAE based on citations

イングランド高等教育財政カウンシル(HEFCE)は、論文がどの学術誌に掲載されたかではなく論文の被引用回数で研究の質を評価する方向に傾いている。来年の研究評価以降、カウンシルは、年1億ポンドの資金を論文の引用回数に基づいて配分を決めることになる。

英国大学連合の報告書では、論文被引用数による評価方法はいわゆる書誌学的評価方法の中でも最も分別のあるものだとし、研究の質が正確に評価されると結論づけている。

しかし、エビデンス社(※)の提出した報告書では、そのようなシステムは研究者の行動に悪影響を及ぼし、システムの信頼性を脅かすことになるのではないかとも指摘されている。同様の評価方法が導入されたオランダでは、オランダ人研究者による引用数の異様な増加が見られ、システムに対する情報操作が懸念されている。一方、その分野で先進的な研究者は必然的に自分の論文を引用することが考えられることから、自らの論文を引用する場合も引用回数に含まれるべきであるとしている。

エビデンス社(Evidence Ltd.)とは、国際研究に関するデータ分析、コンサルティングを専門とする会社である。
RAEとは、Research Assessment Exerciseの略称。研究成果評価。詳細は、以下のリンクを参照。

(要訳:OFIASインターン 藁科 智恵)