SATの価値に懐疑的な試験官(THE 2008年3月13日号)

Examiner doubts value of SATs

今月の教育研究雑誌Research Papers in Educationで、米国式大学進学適正検査(Scholastic Assessment Test、以下SAT)は入学者選抜に用いられるべきではない、という発言を英国の評価資格連盟の研究員が行った。

入学前の成績より将来の可能性を検査するSATは、不利な背景を抱える出願者にとってより平等な試験と言われている。しかし今回の反論を行ったネイル・ストリンガー氏によれば「現存する適性検査はやはり学生の社会的背景などに依存しており、そのような試験の結果を利用することには危機感を覚える」。代替案として英国全国中等統一試験であるGCSE(General Certificate of Secondary Education、以下GCSE)やGCE-Aレベル試験のスコアを学生の社会経済的な状況や学校での成績を考慮しながら利用することがあげられている。

また政府は4.5A相当を獲得した学生に対し、定員14-19名の学位課程を新たに設けることを発表した。国語と数学に重点を置き、より深い学習や自由研究を行うという。学生にとっての新しい「選択の資格」の提示として、学生の高等教育への誘致へ繋がることが期待されているが、一方で「混乱の道への別の一歩だ」という批判もある。

(要訳:OFIASインターン 並木 麻衣)