海外情勢(THE 2008年3月13日号)

Overseas briefing

オーストラリア:実績の低い分野で研究修士や博士課程への入学不可
Group of Eight(Go8)と呼ばれる国内8つの研究大学と、その他38の大学が加盟しているUniversities Australiaは、政府に対し高等教育セクターへの資金配分で共通の姿勢を取ろうとしている。現在議論されているのは、実績の低い分野において研究修士課程や博士課程に学生を受け入れる資格を失い、一方で新機軸活動に使うのなら関連する連邦予算は続けて受け取れるというものだ。

米国:刑務所支出、高等教育費を上回る
米国のバーモント州、ミシガン州、オレゴン州、コネチカット州、デラウェア州では、刑務所の公共支出が高等教育支出を上回っていることが明らかになった。高等教育費が刑務所支出を上回っている州はアラバマ、ネバダ、バージニア州だけで、過去20年で高等教育費の増加が21%だったのに対し刑務所支出は127%も増加した。

欧州: 大学の質の評価基準統一
欧州の高等教育機関の質を評価する質保証機関をチェックするための新制度が開始された。「高等教育における欧州の質保証登録簿」(European Quality Assurance Register in Higher Education)は、信頼できる質保証機関について、明確かつ客観的な情報を提供し、欧州圏全体の高等教育の質を向上することを目的としている。4つの欧州高等教育関連機関によりブリュッセルに設置された。

ウガンダ:雇用保証、なくなる
ウガンダ政府は公立大学の全ての常勤の職を廃止することを明らかにした。同国教育省は、教員の仕事ぶりを向上させるため、徐々に常勤の教員を非常勤に切り替える政府案を起草し始めた。提案は大学視察委員会の勧告に基づくもので、無期限雇用は教員の「革新的で教育熱心な取組み」の喪失につながり、卒業生の質も低下するとの指摘による。

タイ: カンニングで腕時計禁止
タイの国立大学では入学試験中に受験生が携帯電話搭載の腕時計でメッセージを受信していたことを受け、試験中の腕時計着用を禁じた。タイでは入学試験の競争が激しいため、テクノロジーの発展でカンニングが巧妙化している。学生は教室の掛け時計だけを見るよう指示された。

(要訳:OFIASインターン 西村 李歩)