米国との提携を得たサウジの大学(THE 2008年3月13日号)

Saudi university takes US partners

サウジアラビアで来年開校予定のキング・アブドゥッラー科学技術大学のカリキュラム作成や教員採用に関し米国の3大学が協力に同意したことに対し、米国側大学の教員が学問の自由の制限と「名声の切り売り」を懸念している。

協力に同意したスタンフォード大学、カリフォルニア大学バークレー校、テキサス大学オースティン校のうち、数学とコンピューターのカリキュラム設立を支援するスタンフォードと教員雇用面・機械工学カリキュラム設立を支援するバークレーは5年間で約1000万ドル、更に共同研究に対し約1500万ドルの資金提供をサウジ側から受ける。テキサス大学は計算地球惑星学と工学のプログラム設立を支援し、5年間で約2700万ドルを受ける。

しかし米国大学側の研究者達の間では、サウジアラビアでは学問の自由の制限や女性・特定の宗教団体への差別があるのではないかと懸念する声や、サウジアラビアが米国大学の名声を「買っている」と指摘する声も上がっている。これを受け、協力大学やサウジアラビア側は「新しい大学に差別が存在することはない」とし、自由と機会の平等がこの大学から始まると主張している。

(要訳:OFIASインターン 並木 麻衣)