海外情勢(THE 2008年1月17日号)

Overseas briefing

インド:通信教育を強化
2015年までに大学進学率15%増を目指すインドは、通信教育の大幅な拡大と同時に、現在ある通信教育の質を向上させる必要がある。同国の知識委員会は、公式文書で政府に改善策の導入を促した。

ニュージーランド:博士課程の研究重視
オークランド大学を含む少なくとも国内3つの大学は、学部コースを縮小し、博士課程の研究充実に力を入れる方向だ。ニュージーランドの高等教育における財政政策の変化で、大学での研究の質がより重視されることになる。

オーストラリア:科学は母親の心をつかむべし
「母親が科学やテクノロジーに興味があれば子供も関心を持ちやすい」と指摘するのはオックスフォード大学元教授マーティン・ウェストウェル氏。21世紀の科学教育は、いかに母親に興味を持たせるかが課題となりそうだ。

米国:中国人留学生急増
今年度ハーバード大学に在学している中国人学生は総留学生の10%にあたる400人で、もっとも多いカナダ人学生に続き2番目に大きなグループとなった。2007年は米国の大学への中国人留学生が過去最多を記録し、中国に対し51,500の学生ビザと交流訪問者ビザが発行されている。

米国:大学への寄付金増
国内31大学が、1大学あたり10億ドル(1,060億円)を募る募金運動を行っていたが、2007年12月には6億3,700万ドル(約670億円)の寄付を得た。もっとも多かったのはペンシルベニア大学で、同月6,000万ドル(約64億円)の資金を集めた。

米国:教育支援に州苦難
2007年度、州税による高等教育予算額は7.5%増の775億ドル(約8兆2,630億円)で、1985年以来もっとも大きな増加となった。過去4年間増加が続いたが、住宅市場の下落の影響もあり、多くの州が赤字に備えると思われる2008年度の予算額は減少する見込みだ。

(要訳:OFIASインターン 西村 李歩)