研究者のウェブ利用によって図書館が不要に(THE2008年1月17日号)

Researchers’ web use could make libraries redundant

図書館が研究者や学生の需要に応えることができなければ図書館自体が姿を消すことになるだろうと、英国図書館共同情報システム委員会に委任されユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(以下UCL)が行った研究が警告している。

この研究は、いわゆるグーグル世代(1993年以降生まれの、インターネットがないという記憶のない人々)を分析し、5~10年後に研究者がどのような方法で文献にアクセスするかを調査したものである。

ログインや料金、プリントアウト等々はどれも消費者にとっては情報のアクセスに対する壁であり、それらを介する情報は無視されることになるだろうとしている。また、図書館は数多くの文献を提供しているが、検索システムがユビキタス検索エンジンに比べ分かりづらいという点も指摘している。そして、物理的な図書館からバーチャルな図書館へのシフトは急速に進むだろうとし、グーグル・スカラー(グーグルによる学術論文検索システム)などは図書館にとって組織存続の脅威となるだろうとしている。

一方、UCLのイアン・ローランド講師は、非常に複雑な情報環境の中に置かれてはいるが図書館は大量の印刷文化の遺産の上に成り立っており、消え去ることはないとしている。

(要約者:OFIASインターン藁科智恵)