アウトソーシングの落とし穴を警告される大学(THE2008年4月3日号)

Universities warned about the pitfalls of outsourcing

今週行われた、今後10年間の大学の課題に関する会議において、高等教育コンサルタントのローズマリー・スタンプ氏は「変化に自ら対応することなくサービスを外注する大学は教員採用や大学の評判、学生の教育への関与力を失う」と指摘した。「大学がギブアップしてしまったコントロールと、大学運営がテクノロジーから遅れを取っているために取れなかったコントロール」の両方が問題であると言う。

前者に関しては、コースのモジュール提供など、学生の教育に大きなインパクトを持つサービスを民間へ委託していることが一つの例である。大学よりも機敏に学生のニーズを掴む外部によるサービスは学生から高評価を受けており、「高等教育における経験が大学のコントロールを超えていく」という。後者に関して言えば、大学の評判についての情報探しに先ずウェブを使ういわゆる「グーグル世代」への対応という課題である。

セミナーでは教員の雇用や確保の問題も言及され、スタンプ氏によれば「これは今後10年間の最も大きな課題の一つであり、全ての研究機関が直面している。グローバルな教員の採用が困難になり、戦略的目標を達成するため多くの大学が他セクターから人材をスカウトしようとしている」という。

(要訳:OFIASインターン 並木 麻衣)