海外情勢(THE2008年4月10日号)

Overseas briefing

インド:もっと学生を受け止める力を
新設大学への投資の増加で海外の大学へ留学してしまうインド人学生たちの流れがとめられないか。インドの政府、産業、教育関係者は留学の増加による資金の海外流出を心配している。能力を伸ばせないとしてインドを離れる学生を引き止めるために「民間からの援助が必要不可欠である」と教育省は述べている。

米国:成績提出の遅れに罰金
フロリダ州立大学では、生徒の成績提出が遅れた教員に対して毎回10ドル(約千円)の罰金を科している。毎回10-15%の成績提出の遅れに悩まされていた同校は、現在、米国で唯一罰金を科している大学である。

中国:学生へご飯を配給
台湾から近い沿岸地域にある厦門大学では、高い生活費に苦しんでいる学生たちに大学からお米が支給される。消費者物価指数の高い中国の都市で生活費が上がるに伴い、授業料はすえおきで、低所得の家庭から来ている学生を援助するためにご飯配給政策を導入したそうだ。

オーストラリア:開かれた奨学金
オーストラリアが、最高14万豪ドル(約1300万円)のフェローシップを与えることで中堅研究者を引き付けようとしている。産業科学研究省のキム・カー氏は「自国の研究者を保護しながら、ビジネスを国際的に競争力のあるものにすることはできない。私達の目標は世界最高の研究者を引き付け、私達にかかわる問題のために働いてもらうことである」と述べた。

米国:ネイティブアメリカンによる訴訟
ノースダコタ大学女学生クラブの学生達が「カウボーイとインディアン」というテーマのもとインディアンの服を着た写真をオンラインで投稿したことに対して、ネイティブアメリカンの学生グループが大学に訴訟を起こした。彼女たちは謹慎処分を受け、またこの訴訟に駆られ「ファイティング・スー族(米国先住民の主要種族の一つ)」と名のついた大学競技チームに対しても、反対運動が起こっている。

日本:少子化で大学が経営破綻に
広島にある立志館大学が、戦後日本で初めての大学経営破綻で閉鎖された。日本の18歳人口は1992年の205万人から2008年には130万人にまで減少している。「大学は授業料をカットし、設備を改善し、学生を引き寄せなければならない」と同大学の管理者は指摘している。