教育品質保証監視機構、「落第生のデータ活用を」と訴える(THE2008年4月10日号)

Make better use of dropout data, quality watchdog urges

高等教育の質の監視を行っている品質保証局(QAA)が、落第した学生に関する統計をサポート体制改善のために採用する大学が少ないとするレポートを発表した。これは、今年の下院公共会計委員会において、8億ポンドが配分されているにも関わらず落第率が5年間変わっていないことが指摘されたことを受けている。

委員会では、サポートを必要とする学生の成績を追跡調査するために、落第率に関する情報を大学が活用することが重要であることが指摘された。またQAAの分析では、多くの大学が妥当な量の情報を集めてはいるものの「それをどうすればいいのか分かっていない」という。

一方でこのレポートは、幾つかの大学を模範例として取り上げている。例えば平均よりも落第率が高いものの年次レポートの発行で表彰を受けたボルトン大学では、学部を超えてデータ収集を一本化するシステムを開発した。これにより信頼に足るデータが集まり、分析段階で疑問点があれば教員が質問できるようになった結果、学生の進級や落第のパターンや相違点を知るとともに組織全体を見ることが可能になったという。

(要訳:OFIASインターン 並木 麻衣)