無利子学生ローンで得をするのは金持ち (THE 2008年3月27日号)

Top earners gain from student loan ‘subsidy’ as low-paid struggle

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)の公共経済学教授ニコラス・バーは、「中流階級向け補助金」である無利子学生ローンを廃止し、現在3,000ポンド(約60万円)となっている授業料上限を引き上げるべきであると主張している。

「授業料の上限設定はあるべきである。但し、あるレベルにまで引き上げてそこで固定することが重要だ。要はバランス感覚である。授業料の上限をなくしたり、または高くしすぎたりすると、米国のように際限のない授業料設定をする大学が出て、非効率・不公平につながる。問題は、ローンの利子補助金で利益を得ているのが貧しい学生ではなく、金融セクター勤務の金持ちたちであるということだ。ターゲットを変え、教師、看護師、医師などの公共サービスに従事するものたちのローンを帳消しにすべきと私は主張したい」

しかしこれに対する意見として、授業料上限を引き上げあげることによる政府補助金の削減、学生の視点で大学を見ることで教員や機関との関係に変化が生じうる、等々問題点を指摘するものたちもいる。

(要訳:OFIASインターン 山下梨江)