海外情勢(THE2008年4月3日号)

Overseas briefing

米国:機関によって異なるジェンダーギャップ
米国高等教育機関における男女間の所得格差は、教える科目ではなく、所属する機関のタイプによって異なることが調査によってわかった。472の機関の8千人の研究者を調べたところ、研究基金を欠いている公立大学や修士レベルまでしかない大学に女性研究者が集中している。

しかしながら、それを除いても、研究者の男女間で4.2%の不明な給与の差がある。

オーストラリア:認証評価不合格のコース
ウロンゴン大学での4年間の幼児教育コースの評価結果を受け、3つの他大学が、自分達の12ヶ月学位コースを再編成すると公表した。オーストラリアの新聞によると、小学校で教えるには卒業生の能力が不十分であるとして、ニュー・サウス・ウェールズ教育機関がウロンゴン大学のコース認定を拒否している。

中国:教育の値打ち
10人に4人の中国人が教育への投資とその見返りの間に大きなギャップがあると思っている。都市と農村地域に住む16歳から60歳までの市民3,355人に調査を行ったところ、見返りがよいと答えたのはたった16%であり、大学卒業者達は最も批判的であった。

「『教科書のメリット』は労働市場においてなんの役にも立っていない。経営修士コースのために3000人民元(約4~5万円)払ってくれた両親に申し訳ない。」とある青年は嘆いた。「近年の経済発展のペースに雇用市場における求職がおいついていない」と北京師範大学の経営学教授は指摘している。

オーストラリアと米国:解けた化石の秘密
オーストラリアと米国の古生物学者たちが5億5千万年ものミステリーを解明した。南オーストラリアのフリンダースレンジスで発見され、化石化した糞だと思われていたチューブのような化石が、実は海の生物であったことがわかった。

インド:化学分野での詐欺行為、波紋広がる
化学分野における最も深刻な学術盗用の波紋がインド全土の大学に広がっている。70以上もの学術論文で盗用やまたは不正行為をしたとしてシュリ・ベンカッテシュワラ大学(SUV)の化学教授であったチランジーヴィ教授が有罪となった。

そして今、疑惑のある論文を共著したベテラン教授に注目が集まっている。SUV大学副学長は徹底的に調査することを誓い、著名なインド人化学者ガバダーン・メータ氏はデータを審査せずに論文に名前を載せる学者達を批判している。

(要訳:OFIASインターン 山下梨江)