Fieldwork perils mount
社会科学者の安全に対するアプローチに失敗や手抜かりがあると、カーディフ大学国立調査手法センターの報告書が指摘している。調査者が肉体的・精神的な傷を負うケースは大学に報告されている以上に一般的であり、また、調査対象保護の動きがある一方で、調査者の安全は無視されがちであるという。調査議長を務めるグラスゴー大学のミック・ブロア研究員は、この報告書によって大学内の意識が向上し、危機管理に対する積極的な取組みが行われるよう期待すると述べた。
しかし、この報告書が危機に対して過剰な嫌悪を引き起こし、危険とみなされる地域に関する調査一般を妨げるのではとの懸念もある。
Universities UK代表は、「この報告書は重要な問題を提起しているが、大学はスタッフの安全に関しても、研究安全ガイドラインについても取り組んできている。この報告書の提案を検討し、さらに発展させることができるかは検討する。」と述べた。英国社会科学研究における主要支援組織である経済社会研究カウンシルの代表は、「同カウンシルの研究倫理規定は、研究計画において調査者と被調査者双方の危険に関し熟慮を払うよう定めている」と述べた。
(要約:OFIASインターン 藁科 智恵)
増加するフィールドワーク中の危険(THES 2007年8月3日号)