海外情勢(THE 2008年2月21日号)

Overseas briefing

オーストラリア:高給料職により大学生数が減少
国内の資源市場好況のために、大学出願者数が減少している。鉱物資源開発の拡大が労働市場の加熱へと繋がった結果、18歳の若者が重機の運転で年収13万オーストラリアドル(約1290万円)を稼ぎ出している現状は「大学の需要を損なっている」と現地の新聞は報じている。

ジンバブエ:崩壊する教育システム
ジンバブエの教育システムが、2000年からの国家財政破綻により倒壊しつつある。学生連盟の元連盟長によればジンバブエは「高等教育に関する公的支出の急激な減額、教育状況の悪化、教育設備・インフラの倒壊、学生の不安、大学自治の侵食、良質の教員の不足、学問の不自由、大学卒業生の失業」に直面しており、学生からの献血の95%がHIV陽性であるという情報も上がっている。

米国:商才への架け橋
米国を拠点とする経営教育評価機関AACSBが、経営大学院の教員数を増強するブリッジプログラムを促進することが報じられた。このプログラムは、企業の経営幹部が大学教員となるにあたって、彼らに教育・コース開発スキルをつけさせることを目的としている。

バーレーン:新しく課された基準
バーレーンの私立高等教育機関は6月までに財務や学問分野において新しい基準を満たすことが求められている。教育相によれば、私立高等教育機関は「専門的な法律に即して扱われ、財務や学問の要件や基準に加えて3年間で施設・教育設備の要件も満たす」ことになる。

米国:海外留学のための学費に関する訴訟
海外留学中の学生が米国での所属大学に納める学費が再び議論に上がっている。最近、留学先での費用よりはるかに高額な授業料・寮費を徴収するのは不当として学生の父親が大学を訴え、海外で取得した単位のために所属大学へ学費を納入することの是非が問われている。

オーストラリア:搾取される留学生
最近の調査によれば、オーストラリアにいる留学生の多くは最低賃金より低い賃金で働き、最も搾取されている層に属している。これはオーストラリアのサービス産業輸出としての観光業の一部を教育が担っている結果である。教育サービス輸出は2007年に前年より21%増加、留学生数は前年値から18%増加している。

(要訳:OFIASインターン 並木 麻衣)