雇用現場のニーズを満たせない中東の大学(THE 2008年2月14日号)

Middle East universities fail to meet region's jobs needs

世界銀行がモロッコからイラク、パレスチナ自治区も含めた中東・北アフリカ地域において実施した教育全段階に関する調査によれば、この地域の教育と労働市場の間には食い違いがあるという。「教育と経済成長の関係が弱く、教育を受けることが経済力獲得に結びついておらず、教育の質が期待外れのままである」と報告書は警告する。

高等教育機関の卒業生が就職できない。公的セクターが民間より大きく給料も高いのだが、大学が、学生がそこでの仕事のために身につけるべきスキルとして何をカリキュラムを組むべきかわからないのでいるからである。

現状は国によって差があるが、中等・高等教育年齢人口の多さと、その高い人口増加率がシステム全体に負担となっているところは共通している。大学は公的資金だけでなく民間資金からの拠出を探るべきであると報告者は言う。高等教育が公的利益だけでなく民間への利益にも貢献し得るからである。

この報告書は、中東・北アフリカの全教育課程の問題の鍵となるのは、インセンティブの改善と公的説明責任であろうと結論付けている。

参考(報告書pdf):
The Road Not Traveled : Education Reform in the Middle East and North Africa

(要訳:OFIASインターン 並木 麻衣)