ブラウン、仕事の技術に焦点(THES 2007年7月6日号)

Brown targets work skills

ブラウン新英国首相は大学を経済成長のための原動力と位置づけ、『イノベーション・大学・技術省』という新しい省の設置を公表した。競争の激しい今日の世界経済において、英国の競争力を強化するという必要性に対応するための大学改革の一環である。英国上院では、英国の絶望的なまでに薄弱な技術基盤を強化改善する上で、高等教育は重要な役割を果たすという意見が出された。

しかし、経済的な視点で有用な技術や研究を過度に重視することは、純粋な学問的研究にとり不利な状況を招き、教育が広く社会に与える公益を軽視することになりかねないとの懸念が存在する。また、一般的な技術は大学で、業務に特化した技術は会社でという現在のシステムから、大学時代から学生に高度に専門化した技術を教えるシステムに移行することには、学生自身そして経済全体が狭い技術の枠に押し込められることにならないかという懸念がある。また、高度知識経済に対応する形でビジネスに通用する実務的な技術を教えることに伴うコストは学生自身、そしてパートタイムで大学で学ぶ学生の雇用者が負担することになるので、資金面での問題も生じている。

(要約:OFIASインターン 須田 丈夫)