研究者、RAE(研究評価)の拘束と闘う(THES 2007年7月6日号)

Academics fight RAE 'lock-in'

RAE(研究評価)の提出期限日まで、研究者は新しい職のために大学を辞めることができない。シェフィールド大学、サウサンプトン大学、エクセター大学などでは、RAE報告書の提出締め切り日である10月31日まで研究者は職を辞すことができないという項目を契約に盛り込み、事前通知期間として1学期以上を要求している。同大学のロバート・クック教授が5月に辞職通知を提出したところ、事前通知期間を満たしていない為、10月31日より前に辞めた場合には契約不履行で訴えると告げられた。クック教授によると、「すべてRAEのため」であり、また少なくとも3人の研究者がこのような「拘束」に遭っていると言う。同大学側は、事前通知期間に関しては研究者組合との合意の上であるとしている。HEFCE (Higher Education Funding Council for England イングランド高等教育財政カウンシル)は、この問題は労働基準法の問題であってHEFCEが果たしうる公的な役割はなく、高等教育機関と研究者の間の話し合いにまかせるとしている。

*RAE (Research Assessment Exercise、「研究評価」):1986年から始められた、英国の4つの高等教育資金団体(HEFCE、SHEFC, HEFCW, DELNI)が、各高等教育機関の研究成果を把握し、ランキングを作成するというもの。そのランキングによって配分される資金が決められる。

(要約:OFIASインターン藁科 智恵)