ノーベル文学者、英文学部閉鎖を主張(THES 2007年8月31日号)

Close English departments for benefit of nation, says Naipaul

2001年のノーベル文学賞受賞者であるヴィディア・ナイポール卿は、サンデータイムズ紙の取材に対し、大学は英文学部を閉鎖すべきと述べた。しかし、英文学の研究者はこれに対し、議論好きな小説家の単なる挑発にすぎないと、受け流している。

ナイポール氏は英文学部の閉鎖は「英国民の知的生活の質を大いに向上させ、人的資源の無駄遣いを減らす」と主張。また、「学者は押しつけがましく自説をまき散らしており、彼らの本は英文学が大したものであると学生に思い込ませている」、「英文学の専門用語は中身の無い思想を取り繕っているだけ」と非難した。また、大学は測定可能な事実のみを扱い、科学だけを教えるべきと述べている。

ほとんどの英文学の専門家はこの意見を無視している。ある文学者は「彼の意見は論理がはっきりしていない。学者の分析の手法を非常に心配しているようだ。きっと学者からの批評に傷ついているのだろう」と述べた。別の学者は「英文学部がなかったら彼は有名になれなかっただろう」と述べた。

(要約:OFIASインターン 須田 丈夫)