海外動向(THE 2008年7月3日号)

Overseas briefing

カナダ
宣誓する医学研究者

医者は倫理に関する宣誓を行うが、研究者は行ってこなかった。しかし、トロント大学でそれが変わりつつある。そこでは、医学研究者が荘厳な儀式に参加する。その宣誓は、金銭的利益、名声によって研究における倫理が揺るがされないことを含んでいる。

アメリカ合衆国
教授が剽窃で解雇される

コロンビア大学の教授が、剽窃と公的調査を妨害したことにより解雇される。コロンビア・ティーチャーズ・カレッジの心理学と教育学のマドンナ・G・コンスタンティン教授は、元同僚と二人の学生の研究から剽窃したとされている。しかし、コンスタンティン教授は、それらは元々彼女のもので、彼女が黒人であるということで大学は彼女に対し偏見を持っていると主張した。大学は、2月に解雇勧告をしたが、彼女は拒否し、解雇されることとなった。

スイス
コリダーは大災害を引き起こさない

世界で最も強力な素粒子物理学の実験から、地球は危機に瀕していないということが結論された。その研究は、ジェノヴァのヨーロッパ素粒子物理学研究所で、危機を予測できるかどうかに触れている。批評家は、まもなく開設される、陽子を超高速で衝突させる施設に作られた小さなブラックホールが地球の存続を脅かすのではないかと懸念を示しているが、ヨーロッパ素粒子物理学研究所は、確認できる危険はない、としている。

アメリカ合衆国
銃撃を想定した訓練を職員が受ける

「サバイバル・トレーニング」が、アメリカ合衆国の大学で標準になりつつある。クロニクル誌高等教育版と国中の銃撃想定を促す機関によれば、サバイバルトレーニング市場は、熟している。現在、50以上のカレッジが元合衆国防衛省の専門家によって開発されたプログラムに申し込んでいる。

インド
「偽もの」であることを否定する大学

インドの高等裁判所は、政府の委員会と「偽もの」とされた大学との調停を行った。インディアン・インスティテュート・オブ・プランニング・アンド・マネージメント(IIPM)の弁護士は、IIPMは企業家に価値ある経営訓練を提供しているし、「世界中で」認知されていると主張している。

ウガンダ
不品行阻止のためのミニスカート禁止

ウガンダのマケレレ大学では、講師が成績の見返りとして、性交渉を求めているというallAfrica.comによる報道に対し、学生と職員の道徳を高めるために、ミニスカートや「不適切な」装いを禁止した。心理学学部長ピーター・バグマ氏は「ミニスカートやタイツを撲滅することにより、不品行を奨励しない新たな文化に、学生が対応できるようになる」と述べた。調査によると、この大学の10人中4人の女子学生が、講師から性的関係を要求されたという。しかし、大学の若い職員は、女性の露出度の高い服装は、男性に対するセクシュアル・ハラスメントであると述べている。

(要約:OFIASインターン藁科智恵)