海外動向(THE2008年7月10日号)

Overseas briefing
カナダ:助成金の大幅削減
大学への助成金が大幅に削減された。1980年代初頭には学生一人当たり21,000カナダドル、1990年代初頭には、17,000カナダドルの州助成金を受け取っていたのに対し、昨年は15,000カナダドルとなったとグローブアンドメール紙が報じた。カナダ大学連盟の調査によれば、カナダの大学への学生一人当たりの助成金額はアメリカの大学より8,000カナダドル少ないという。

インド:デリ大学での入試合格ラインは95%
インドの一流大学の受験競争の激化により、90%以上の正答率でも不合格となる。デリ大学では、人気の高いコースの合格ラインは正答率95%だったという。ハイヤーオーダーシンキングスキルテストの結果が予想以上に悪かったことがこの状況に拍車をかけている。

アメリカ合衆国:国境が大学の結束を分かつ
テキサス州にある大学のキャンパスが国境のフェンスで分割された。同大学はメキシコ・アメリカ戦争の戦場となったリオ・グランデに近く、様々な形でアメリカとメキシコの友好関係を築くことを使命としてきた。この事態に対し、同大学大学の方針を全く無視するものだとこの計画を批判している。

ヨルダン川西岸、ガザ地区:銀行の先駆的な試み 教育ローン制度を整備
ヨルダン川西岸とガザ地区で学生ローンプログラムが立ち上げられた。初の試みで、パレスチナ銀行が資金を提供し、年間8,000人の学生に最高1千万ドルを提供する。世界銀行によれば、この制度は教育ローンを返済するという文化を築くとともに、大学に安定した授業料をもたらすという。

中国:入試不正に関与した政府高官を逮捕
国立大学の入学試験の不正に関与したとして、地方政府高官が逮捕された。政府によれば、偽造登録文書の作成や替え玉受験が行われたという。その中の一人間違えて自分の名前を答案用紙に記入したことから事件は発覚した。

オーストラリア:家政婦のように扱われる非常勤講師
大学の授業の80%を非常勤講師が担っていると報告された。非常勤講師に依存しているというこの状態は、まるでビクトリア時代に中流階級の家庭が家政婦に依存していた状態のようであるという。しかしこの傾向を覆すのは難しいといえる。
(要約:OFIASインターン 前田葉)