今日では多くの女性が大学に進出しているが、ジェンダー問題は根強く残っている。ロンドンメトロポリタン大学政策問題研究所のキャロル・リースウッド教授は、フェミニズムは女子学生数の増大は果たしたが、依然として男性優位の傾向が強いとしている。大学職員にも、性別による格差が存在する。教授職についている女性はわずか17.5%にすぎない一方、サポートスタッフの93%は女性で占められている。「アメリカでは性別による給料の格差も1970年代から変わらずに存在する」とリースウッド教授は述べている。同教授によると、女性の高等教育への進出は、男性への脅威とみなされている。また、フェミニズム研究やジェンダー問題は過小評価されているという。
ゴールドスミス大学のアンジェラ・マクロビー教授は、女性は知識経済において重要な人材であると述べている。そして、今後は単純に女性を数多く大学に送り込むだけでなく、どのような教育を受けさせるのかを考慮する必要があると主張している。
同教授は男女平等の考え方を取り入れる「ジェンダー・メインストリーミング」を、女性の権利の保護には役立っていないとして批判している。
フェミニズムは多くの学術論文で取り上げられているが、「個人的な興味」に留まっており、反感を呼ぶことも多い。「学問の世界は、日常生活の場で取り上げられないことが、議論される場になっている」とマクロビー教授は述べている。
(要約:OFIASインターン早野文菜)