海外動向(THE 2008年6月26日号)

Overseas briefing

オーストラリア
研究開発の支出が25%の伸び
オーストラリア大学の研究に対する支出が近年伸びている。オーストラリア統計学事務所のデータによると、研究開発に対する支出は2004年から2006年にかけて24.9%伸びている。この伸びは、医学的研究に対する予算の増大が影響しており、2010年までには、国立医学健康研究センターに対する資金は15年間で500%増大することになるだろうとオーストラ
リアの新聞は報じている。

イラン
性の主張に対する抗議
副学長のセクハラの主張に対して、イランの大学で何千人もの学生による抗議が行われた。先週、ザンジャン大学で、理事会の辞任を要求する約3000人が参加する座り込みが行われた。また、彼らは女子学生に対するハラスメントに対しての高等教育大臣の公式の謝罪を要求している。

アメリカ合衆国
動物の権利保護運動が拡がる
動物実験に関わる大学に圧力をかけることを目指し、生体解剖反対の運動家によって、合衆国の研究機関でない高等教育機関が攻撃の的になっている。彼らの新しい戦略は、最近11の非研究機関によって署名された、動物を深刻な苦痛にさらさないという誓約を含んでいる。動物愛護協会によって起草されたその誓約書は、300の非研究機関に送付されている。ザ・クロニクル高等教育版は、これは、高等教育機関の中から、動物権利保護運動を盛り上げようという意図だと報じている。

アメリカ合衆国
詐欺師の贈り物が戻される
大学に対する50万ドルの寄付が詐欺師の元に戻された。去年銀行の破産の前日に自殺したボブ・マックリーンは、ミドル・テネシー州立大学に彼の6700万ドルの遺産のうち100万ドルを寄付していた。出来る限りのお金の回収を目指す裁判所職員は、大学に57万ドルを返還することを要求した。

中国
試験での不正行為の数減少
中国政府によると、世界で最も大規模な大学入試における不正行為の数が減少したという。今年は1038万人によって受験され、2645の不正行為が発覚した。この数は、去年よりも約800減少しており、ここ10年間で最も少ない。教育相のスポークスマンの王氏によると、今年は学生のIDのチェック強化、試験監督の増員等を行ったという。

インド
社会的教養に欠ける政治家
インドの研究者は政治家を国の中で最も非社会的なグループとした。インド調査センターの社会的教養の調査は、インドの大学の1100人の研究者によって行われた。結果として、インドの政治家の社会的教養は、ジャーナリストや学校の教師よりも低い、「極めて低い」とされた。ある研究者は、エコノミック・タイムズ紙に政治家はしっかりした教育を受けていなく、政策を作る人々がこのような状態であることを嘆かわしいことだと語った。

(要約:OFIASインターン藁科智恵)