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留学生が留学先の英国大学での経験や感想を書き込む口コミ情報ウェブサイトを求めていることが、英国国内の中国人留学生50,000人を対象としたグラスゴー大学のPhilo氏による調査で明らかになった。
ブリティッシュ・カウンシルに提出された氏の報告書によると、彼らは情報源として広告や業績一覧などよりも口コミ情報を重視する傾向があり、ウェブサイトは伝統的な大学内のヒエラルキーを改革する助けになると答えている。
ただし、全体のほぼ3分の2が英国での経験を評価しており、中国で学ぶほうがいいと答えた学生は29%のみだった。大学関係者からは、「同じ授業を受けても感想は人によって異なるものであり、口コミサイトではマイナス評価が実際以上に大きく取り上げられる危険がある」という意見も出ている。
(要約:OFIASインターン 長谷川 涼子)
英国大学評価サイト?(THES 2007年6月29日号)
講師の定年引退に反対し300名が署名(THES 2007年6月29日号)
300 sign up to stop lecturer's retirement
退官する教授が受け取るのは、たいてい学生の外交辞令的なしぐさくらいである。しかし、ロンドン・メトロポリタン大学では40年間社会学を教えてきて、退官を目前としたリチャード・カークウッド講師に65歳を過ぎても講義を続けてもらいたいと300人の学生が署名して嘆願書を提出した。カークウッド講師も継続の意志を表明している。
その嘆願書にも関わらず、講師の要請は退けられた。カークウッド講師は今、副総長(英国では実質学長)に再度訴えている。嘆願書を組織した学生も、副総長に直接会って説明したいと申し入れている。
英国大学連合の書記長サリー・ハント氏が、大学が退職年齢を設定しない方がうまくいくという典型的なケースである、とこの件に関しコメントしている。
(要訳:OFIASインターン 藁科 智恵)
ブラウン政策の優先課題に(THES 2007年6月29日号)
Access top of Brown agenda
ブラウン新英国首相は高等教育予算を増やすことを約束したが、実際のところ大学側は何を望んでいるのだろうか?
ブラウン首相は週末の労働党党首就任演説において、大学の研究活動に対する予算と大学進学率を(現行の40%から50%に)上げることを約束した。
また将来的に国家の収入の10%を教育に費やす目標を示唆した。
ブラウン首相の教育に対する意気込みは強いがそれに対して、大学の学長等の高等教育関係者からは、次のような意見が出ている。「首相は公的サービスとして高等教育の改善を図るべきであり、商品扱いすべきではない」、「授業料の見直しが大学間や生徒の間に不平等が生じさせないように注意すべきだ」、「大学に対する押し付けがましい介入が増えることが予想される」、「大学進学率50%という目標は高い。下げるべきだ。」「適切な収入増がないのに、ますます多くのことが大学に期待されている」、「ブラウンは大学経営から学者を遠ざけ、かわりにビジネスマンを任命した」、「高等教育に投じられる予算が世界基準に達することを望む」、「高水準の研究を行い、高い能力を持った学生を育成することによって、高等教育と産業界のつながりを強化しなければならない」。
(要約:OFIASインターン 須田 丈夫)
米国、大学ランキングに関する葛藤(THES 2007年6月22日号)
US rankings opponents struggling to turn tables
米国の大学関係者は、大学ランキングで自大学がどこに位置づけられているかに非常に意味を持っている。しかしランキング指標を対象とした操作等、安易なランクアップ作戦による弊害も指摘されており、大学がこのランキングに踊らされているとして一部の大学学長の中にランキングへの情報提供を拒む動きも広がっている。「商品化されることに対する教育側の抵抗」とも言える。
だが反対派は「一流大学」や学生獲得に苦労している「二流大学」の中には見られず、ランキング容認・追随の傾向は根強い。
(要約:OFIASインターン 長谷川 涼子)
*参考
1:米国学生状況全国調査による代替ランキング
テロリズム研究の急増(THES 2007年6月22日号)
Terrorism studies surge
専門家の話では、テロリズムは現在英国の大学にとって大きなビジネスとなっている。最近の調査によると、6時間に 1冊、英語でテロリズムに関する本が出版されている。大学のコース・ディレクターも、学生のテロリズムに対する関心の増大を指摘している。イーストロンドン大学のテロリズム研究のシールケ教授は、9.11以後、テロリズム研究は、大きな変化を遂げたと言う。
シールケ教授によると、9.11以前は、テロリズム研究は周縁に追いやられていたが、今ではそれに対する学生の関心が増え、助成金の数も激増している。
(要約:OFIASインターン 藁科 智恵)
学問の精神を脅かすインターネット(THES 2007年6月22日号)
Web threatens learning ethos
元アメリカ図書館協会会長Michael Gormanが、学生が資料探しを安易にグーグルやウィキペディアに頼ることで引き起こされる調査・学習習慣への悪影響、教師の威信の低下、盗作などによる知的所有権の軽視化を指摘。
これに対して大学教員からは「子どもたちは、批判的に情報を吟味しながらインターネットを使えるよう教わる必要がある」「デジタル技術は知的怠慢ではなく、むしろ新しい学問の可能性をもたらした」「できる教員や学生にとっては、インターネットは『良い成果を生み出すための重労働』を軽減する助けになっている」など、擁護的な意見も寄せられている。
著述家Andrew Keenは、ウィキペディアのような情報資源がよりどころとする「あらゆる投稿が同等の価値を持つ」という考え方は、学者の専門性や権威に対する「とても深刻な挑戦」を意味していると述べている。
(要約:OFIASインターン長谷川 涼子)