海外動向(THE 2008年7月24日号)

Overseas briefing

日本:少子化による打撃
少子化など人口構成の変化と公的資金の減少により、大学は運営の危機に瀕している。今年度の大学入学者はピーク時の1992年に比べ70万人減少した。既に3校が志願者不足により、閉鎖に追い込まれている。

カナダ:無実の解雇教授、訴訟を起こす
アカディア大学教授が、婦女暴行の嫌疑の為に解雇されたことに対し、大学を相手に訴訟を起こした。同教授はある女性に暴行を加えた疑いで取調べを受けたが、警察から無実を証明する手紙を受け取ったと主張しており、大学側の処分を不当であるとしている。

オーストラリア:カーネギーメロン大学、ようやく開校
カーネギーメロン大学アデレードキャンパスが、予定より大幅に遅れて開校となった。同校は立ち上げ資金として政府より2500万オーストラリアドルを受け取っている。また、全生徒に公的資金より22万7千オーストラリアドルが支給される。同大学への援助額はアデレードの他大学に比べ16倍も多い。アレクサンダー・ダウナー外務大臣が、今回のキャンパス開校の功労者である。

インド:「新入生いじめ」反対組織発足
インドの高等教育機関では、精神的嫌がらせや性的暴力を含む「新入生いじめ」が長く根付いており、最高裁も動き出している。デリー大学では、「新入生いじめ」を撲滅し、新入生を守る為の組織が発足した。

アメリカ:メディアを用いた新しいカンニング
学生達が、YouTubeに投稿したビデオ映像を用いてカンニングの方法を共有していることが判明した。こうした映像はカリフォルニア大学のリズ・ロッシュ教授のブログで紹介されている。同教授は、どのようにカンニングをするかではなく、どのように勉強するかを教えるビデオが作れないものかと、自身のブログに書き込んでいる。

インド:「手品学」の学位、出現
11月、カルカッタにて世界初の「手品の大学」が開校する。創立者はマジシャンのP.・C・ソーカー氏であり、心理学、舞台演劇、照明技術などの講座が開講される予定である。卒業生には「手品学修士」の学位が与えられる。

(要約:OFIAS インターン早野文菜)