不祥事調査の為の新組織、発足に向かう(THE 2008年7月31日号)



大学の不祥事調査及び事例の収集の権限を持つ組織の設立が、英国研究委員会(RCUK)からの諮問文書中で提唱された。この新しい組織の目的は、主に教育現場全般の規律を守り、不祥事対処を促進することである。その他、学内からの不満の調査、及び不祥事の事例とそれに対する懲罰資料のデータベース管理、情報提供を行う。


学術出版における倫理委員会(Cope)のハーヴィー・マルコビッチ氏は、こうした組織の設立に賛成している。現在は、事例の包括的な管理体制が未だ存在せず、個々の機関が自身に不利な事例をこっそり隠蔽することも可能である。類似の組織としては英国保健・生体医科学研究公正委員会が存在するが、調査権限は与えられていない。


英国研究公正局(UKRIO)局長のアンディ・ステインソープ氏も外部から調査されるべき問題の存在を認め、組織の設立を歓迎している。一方でUKRIOは匿名の事例データベースを独自に作成することを計画している。


RCUKの諮問文書は、イギリスの各教育機関は、軽微な問題をきちんと調査しておらず、このことは、問題を手に負えなくなるまで放っておく傾向を助長している、と批判している。



(要約:OFIASインターン 早野文菜)