海外動向(THE 2008年6月12日号)

Overseas briefing

米国
医者の特典が調査される
米国の医学部は、医薬会社から医者や研修生への賄賂を規制できていなかったことに対し、批判を受けている。ニューヨーク・タイムズに掲載された米国医学部学生組合によれば、5校に1校の割合で利害の衝突に関する方針を見直しているが、いまだにほとんどがガイドラインを明確にしていない。

オーストラリア
批評が研究を麻痺させる可能性
オーストラリアの研究者のグループは、政策批評が、ラッド政権の研究・教育に対する怠慢を引き起こしかねないと警告した。オーストラリア科学アカデミーのカート・ランベック氏は、批評の専門分野は飽和状態にあると述べている。

オーストラリア
言論の自由を守る組合
メルボルン大学は、政府職員に侮辱的な発言をした講師に対し懲戒処分を行ったことにより、労働組合から、非難を受けている。エイジ紙(The Age)が入手した資料によると、大学は、政府に対し、大学の総意と講師の非難とは全く別だということを書面において述べている。

カナダ
学生がフェイスブックを告訴
カナダの法学部学生がフェイスブックを訴えた。オタワ大学の学生は、ソーシャルネットワーキングサイトが、会員に個人情報が第三者の営利団体に公開されるということを知らせておらず、その許可もとっていないと主張している。彼らによれば、フェイスブックは、22のカナダの個人情報法違反を犯しているとされる。

欧州委員会
EU全域のスキームに対する熱意に欠ける反応
ケミストリーワールド誌によると、研究者の一元的な市場を作り上げることに対する欧州委員会の計画は、熱意に欠けた反応を得ている。研究者ヨーロッパ組合は、年金等を各国間で移動できるという計画も提案している。ドイツ研究基金のフェルディ・シュス氏は、移動性が上がったとしても、それによって研究の質が良くなるとは考えていないと述べている。

オーストラリア
賃上げによる解雇
研究者組合による27%の賃上げ要求に応じるならば、オーストラリアの大学は研究者を書き子する必要が出てくるとしている。組合は、ここ3年間賃上げを要求している。

(要訳:OFIASインターン藁科智恵)